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東夷伝中裨離等十国条
訳出担当 辰田 諄一
裨離國在肅愼西北,馬行可二百日,領戶二萬.養雲國去裨離馬行又五十日,領戶二萬.寇莫汗國去養雲國又百日行,領戶五萬餘.一羣國去莫汗又百五十日,計去肅愼五萬餘里.其風俗土壤並未詳.
裨離国は粛慎国の西北にあり、馬で二百日を要し、二万戸を領している。養雲国は裨離国からさらに馬で五十日行ったところにあり、二万戸を領している。寇莫汗国は養雲国から更に百日行ったところにあり、五万余戸を領している。一羣国は莫汗国からさらに百五十日行ったところにあり、粛慎国からの道のりは五万余里である。その風俗や土壌はともに詳しくは分かっていない。
泰始三年,各遣小部獻其方物.至太熙初,復有牟奴國帥逸芝惟離、模盧國帥沙支臣芝、于離末利國帥加牟臣芝、蒲都國帥因末、繩余國帥馬路、沙樓國帥釤加,各遣正副使詣東夷校尉何龕歸化.
泰始三年〔二六七年〕、各国は小部を遣わしてその特産品を献上した。太煕元年〔二九〇年〕、また、牟奴国の帥の逸芝惟離、模廬国の帥の沙支臣芝、于離末利国の帥の加牟臣芝、蒲都国の帥の因末、繩余国の帥の馬路、沙樓国の帥の釤加らが、おのおの正使と副使を東夷校尉の何龕に遣わし、晋に従った。
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